ファイナルファイナルファンタジー

無料期間の無期限延期、PS3版の発売延期、田中P退任。


まあ、経緯とか行間とかは、
うさだとまこなこを読めばわかりやすくまとまっているとおもいます。


製品品質の悪さが直接の原因ではあるものの、
この問題の困ったところは、和田社長が、
「ビジネス書に書いてある当たり前のことをやったら 大コケした」
というところにある。


FF14を製作するに当たり、やったこと:
1)高給取りの開発者を解雇し、一部外部委託することで開発費を抑制
2)発売日遵守、クオリティの判断をしない
3)需要の創造は行わない。計算できる需要に対して製品を開発する。


FF14には、特に新規性のある技術、ゲーム性などは込められていません。
(すくなくとも現在見える範囲では)
特にプレイヤーキャラなどのモチーフは、基本的にFF11から持ってきています。
FF11プレイヤーが親しみを持ちやすい、という理由が言われていますが、
作り手からすれば、以下のメリットもあります。
・創造性に乏しいがクリンナップや修正のうまい(=コストの安い)デザイナーを使える
・デザインの新奇性を出すことによるバクチを回避し、安定した支持を得られる


ここにもあるように、


「既存ゲームの焼き直しを作る」
→「ユーザー嗜好へのバクチを防ぐ」
 「新規技術、デザイン、サーバを用いないことで開発費を抑制」
 「既存技術なので、開発コストを下げてもクオリティが維持できる」
 「既存技術なので、開発が計画からブレず、会社全体の事業計画に組み込める」


ことが、開発計画の根本です。


「既存ゲームの焼き直しで、売れるの?」という疑問については、
「FFシリーズのファンだがFF11をやっていないひと」が相当数いる、
つまり、FF11で取り込めていないフロンティアを、看板を変えるだけで
取り込める、という計算があったでしょう。



ここまで、経営としての考えとして間違っていないです。



問題の根本は、
「クオリティがあまりに低すぎた」ことと、
「クオリティを作品自体から測るモノサシを持っていなかった」ことにあります。


「開発者の質を下げれば、製品の質が下がる」のはあたりまえですが、
費用対効果の点で、正しく判断できるでしょうか?
ひとりひとりがモノを製作する工員であれば、生産スループットで判断できますが、
多人数で1つのモノをつくる場合、それは可能なのでしょうか?


こういう、多人数で1つのモノを作るにあたり、
コスト削減で費用対効果の計算ができるのは、
作品のクオリティを判断できるモノサシを持っている人でしかないです。
そしてそれは、実質的に、会社の上層部に位置していなければならないです。


品質:わからない
納期:決まっている


納期を優先して出しました、というより、
品質はどれくらい優先していいかわかりませんでした、というのが正解です。
わからないものは判断材料にされません。


任天堂が強いのは、
会社のトップがクオリティを判断できる目を持っていることですね。
あの「ちゃぶ台返し」というやつです。


逆説的ですが、
作品を作るにあたっては、クオリティの判断ができるひとが
トップにいられる組織規模を超えて製作集団を太らせてはいけない、
ということなのかもしれません。