固形石鹸


これまで、体を洗うのは、固形石鹸を使っていた。
親が贈答品を扱う会社に勤めていて、お中元やお歳暮の在庫処分の
石鹸とかを大量に入手するので、
タダで使えていたからだ。


しかし、親が早期退職してしまい、石鹸の供給ルートが
絶たれてしまったため、自分で買わねばならない。


というわけでドラッグストアへ。


ない。


世の中から、体を洗うための固形石鹸がなくなっていた。


店員に聞くと、バックヤードの目立たない隅から、
Doveの固形タイプと牛乳石鹸ぽいのを出してきた。
「いまはみんなコレでしょ?固形買う人いやしませんねん」
おじいちゃんの店員はそういって固形の2種を見せてくれた。


一応、Doveブランドの石鹸があるなら、しばらくは入手が可能だろうと思い、
買ってかえった。
「それ、よぅあわ立ちまっせ」とおじいちゃん。


自宅で早速使ってみる。


うそばっかり。ぜんぜんあわ立たない。
普通の石鹸でないことは使ってみるとすぐわかる。
体をこすったあとの泡が、お湯に入れたときに垢のように凝固しないでお湯に溶けるのだ。


合成モノでよくある、
汚れは落としてうるおい落とさず、
ってやつか。


この手のものは体の油脂分が取れた気がしないので、
ぜんぜんさっぱり感がないのだ。


別の日、100円ショップ「SHOP99」で石鹸を探す。
SHOP99がどこかと共同開発したらしい石鹸が、2個で99円だった。


試してみる。
こっちは本当の石鹸だ。


安いだけあって、香料が入っていないみたいで、石鹸らしい香りがしないのだが、
この洗いごこちは紛れもなく石鹸だ。
これが2個100円か。
Doveは2個で400円弱するぞ。


でも、
いつかはこれも滅びるだろうなぁ。
どのタイミングで買い溜めに走るべきか...