テレビの将来


backspace.fm向けに、リツイートもしたネタなのだが、


http://backspace.fm/episode/093/


テレビが「でっかいAndroidスマホ」になる、という話。


SONYの新型BRAVIAが発表された。だいたいそういう感じだ。


http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/20150513_701763.html


でも、
Android TVの機能と拡張性に魅力を感じて購入を検討するなら、
思いとどまった方がいいかもしれない。


アプリのサービスは、パネルの寿命より早く「利用不能」になるからだ。
パネルが10年持っても、サービスは5年で見捨てられるケースがある。


これを見よ。



2011年製の、うちのテレビ(Panasonic )だ。
YouTubeのサービスが継続しているにも関わらず、アプリがサービスを終了してしまった。
実は同じような感じで、Ustreamのアプリも1年ほど前に使えなくなった。


ご存知のように、YouTubeも、Ustreamも、サービスそのものは継続している。
しかし、アプリの対応が終わったのだ。


予想される理由は2つ。
1)サービス側のAPIのアップデートに対応するコストをTVメーカーが出さない。
 (おそらく旧APIでのアクセスが段階的に終了し、新APIでないとアクセスできなくなる)
2)サービス側に支払う契約費用をTVメーカーが出さない。


TVメーカー側からすれば、TVを売った後もサポートという持ち出しが継続することになり、
後出しで原価が上昇することになるので、適当なところでサポートなんて打ち切りたい。
ビジネスである以上、当然の判断だ。


しかし、消費者が、テレビという耐久消費財にもつイメージ
(壊れなければ10年くらいは持つだろう)や、
メーカー自身がサービス打ち切りの事情について、TV販売時に実態を説明していないことを鑑みると、
消費者への説明責任をTVメーカーは怠っているんじゃないかな、と考える。


表示装置とコンテンツレシーバー/プレイヤーを分離し、
早々に陳腐化するコンテンツレシーバー/プレイヤー部だけを買い替えながら、
表示装置を寿命まで使うほうがエコであるように思える。


しかし、多くの一般のひとが持つTVのイメージは、
「スイッチつけたらなんか見れるもん」であるので、
この分離策が、操作の難解さを生み、初期サポートコストがかさむとか、
そもそも売れなくなる(結局一体型のTVのほうが売れる)とか、
そういう結果になりかねない。


また、この一体性は、
放送業界とTVメーカーの、それなりに複雑な関係性にも絡んでくるため、
TVメーカーは、なおのこと、分離型の提供に踏み出しにくい、という事情があるだろう。
放送業界は、TVメーカーに一定の発言力を持つのだ。※



この時代における、TVが背負っている業は、結構深い。



以前、Panasonicが、TVの電源On時にネット画面が出る仕様のTVを出したところ、ARIBからNGが出た。
電源投入時はTVの映像が出ることという規定があるらしい。
また、ニコニコ実況が、TV画面にコメントをオーバーラップできないのも同じ経緯。
TVは放送の画面を受像機側で加工してはいけないという規定があるらしい。
追記:参考はこのへん。
http://ckworks.jp/blog/archives/2013/06/panasonic_smartviera_arib_rule_television.html