日本が東京とその近郊で完結してしまいそうな問題


まずはこれ。
「東京から考える」


わりとだらだら調の対談ですが、ともかく結論としては、


東京だろうとどこだろうと、人々の欲望は均してしまえばさしてかわらんので
それを反映した都市の景観、もしくは構造上の機能は、同じようなものになる。
意図的にそれに反発し、特徴ある都市づくりを行うには、個々の欲望を越えた
集団のコンセンサスが必要だ


みたいな感じ。


ただ、この本で重要視されるべきかもしれないのは、
そういった論議の内容や結論ではなく、
東京とその近郊だけで論議を集約してしまえる、
その土台なのではないでしょうか。


今や、日本第2位の人口を持つ都市は、大阪ではなく横浜ですし、
大阪や名古屋の規模は、東京の近郊の都市と、人口規模で比較して
同じかむしろ少ないくらいになっています。


これは、単に東京が地方を無視するという状況というだけでなく、
地方が、ある種「東京さ行くだ」的なヒエラルキを意識しなくなっていることの
裏返しでもあるかもしれません。


ITと物流の発達により、地方が東京を目指す理由は、
どちらかというと、リアルコミュニケーションの障壁の除去に
重心が増したような気がしています。


この「東京を考える」という本と、
大江戸宅急便のCD「oedo.jp」をあわせて考えるに当り、
こういったことが非常に気になります。


うまく言葉をまとめることが出来ないし、
まだ事例もきちんと取り上げられていないので
思いつきの域を出ないのですが、


この、日本が東京とその近郊だけで切り取られていくような感じが
なんかひっかかってたまりません。