2006年わたし的音楽総決算
まあそういう時期だし。
2006年の個人的音楽傾向:
東京出張が増えたため、同人音楽の入手率が上がりました。
月に2回くらいのペースで東京出張が入ってしまうので、
もともと巡回コースであった、あきばおー五号店地下とヤマギワに
死ぬほど通う羽目になり、
しまいには、「どれを持ってなかったかなぁ」状態に。
それでスカばっかり引いてたら救いようがないんですが、
一応はアタリがあったのでまあ良いのではないでしょうか。
おそらく世間的には音楽の流通方法についてはドラスティックな変化があったにも
かかわらず、音楽そのものが新しくなっていく様子がそこには見えません。
ITを、マスに使うと面白くないのです。
ITを、効率化に使うと面白くないのです。
まあ、この話はまた別の機会に。
テクノのメジャーどころはぱっとしない1年だったと思います。
Underworldはサントラ出しました。悪くないですが地味です。
Squarepusherもアルバム出しました。うーん。
Junkie XLもアルバムだしました。え?Neworder目指してるんですか?
2006年に見つけたオススメ曲ピックアップ:
・連想乙女配列/Chocoa Project
http://ayase.parfe.jp/promotion_contents/log/eid4.html
掘り出し物という点では一番です。
とても同人らしい、メジャーだったら出てこないだろう曲です。
内容もそうだし、完成度よりも出す事を優先したかもしれない思い切りもそうだし、
価格もそうだし。
ぶっちゃけ「質」という点では明らかに同人のなかでも低いほう。
藤崎かりんのボーカルでなんとか聞けるところに来ているが、
とくに譜割りがひどくて何語の歌か下手すればわからなくなる。
ミックスも荒い。
でも、出来がいいとか悪いとかそういうことと別の重要ななにかがある。
まさに同人ならではの曲といえましょう。
Chocoa Projectは、ここのところの最注目です。
・彩宛/Heal Avenue
http://www.healabenue.jp/
今年はこういった完成度の高い、癒し系の同人CDを多く見かけました。
同人といっても世間の潮流から別に外れているわけでもなく、という事でしょうか。
完成度も高く、世間と同じ傾向を、同人でやってどうするの?
という点を、わざわざ考えるひとはいまどきそうそういないでしょうね。
前置きはさておき、繰り返し聞いても飽きない、邪魔にならないという
癒し系としては非常によいバランスで出来ている点を評価しています。
・Phototaxis/Orbital Maneuver
http://www.voltagenation.com/orb/
Ancient Colors Infinityの3部作でも、3作目が一番良いと思ったんですが、
今回も3作目が一番自分は気に入りました。
表題曲は、ブレイクビーツのリズムに緊張感のある展開、
そこにコズミックなボーカルが乗っかるという感じ。
で、これは片桐烈火というひとがきっとすごいんだと思って、
「にゃんこっこあわーInnovation」買ったんですが、個人的にはイタいだけでした...
あ、このアルバムにかかわっている人たちは、ひぐらしの商用展開に
いっぱいのっかってましたね。
わたしゃ商用化されたひぐらしはまだなにも見てないのでどんなもんかわかんないですが。
ちなみに、元の絵柄に慣れてしまってどうもアニメ版やPS2版は違和感が...
・Electric Candy Pop/normal pop?
・いじわる/normal pop?
http://techno4pop.net/info/info.htm
トルバ系のテクノポップコンピ「Techno4pop」から出てきたnormal pop?のアルバム「pose」から。
とにかくT4Pは回を重ねても質が落ちないどころか上がっていくところがすごくて。
通常、ただのリバイバル、リメイクになるだけのところが、そうならずに
新たな境地に向かっているところは、単なる世間のリバイバルの迎合でない点で
すばらしいと思います。
コンピからピンでアルバムを出すところまで持っていった、主催のサイボーグ80'sの判断はすばらしい。
で、normal pop?の曲調を端的に表現すれば、「しっとりしたmiracle moon」。
・Miracle Travel/ぽらぽら。
ついでなんでT4Pからも。Vol.4の1曲目。
普通コンセプトアルバムの第4弾なんてネタ切れるだろう。
こんないい曲が第4弾で出てくるのがすごすぎですね。ええ。
・グライダー/Capsule
http://www.capsule-web.com/
はじめてiTMSで購入したアルバム「L.D.K.」より。これが一番良い曲。
これもテクノリバイバルの流れから来ている。
新規性があるわけではないんですが、曲の展開が良くて。
・アステロイドハーツ/encounter+
http://encounter-p.net/
全然聞いたことのない同人CDでもこのレベルの作品には普通に当たるぞ、という例。
派手さはないんですが、どうもしばらく聞かないと聞きたくなる。
・Lost Samurai/DJ XP Voodoo
ゴアトランス系からまずひとつ。
今年のゴアトランスは聞いてて眠くなる単調なものが減った気がします。
別に曲展開がゴアトランスの典型から外れているわけではないんですが、
なんだろ〜、イコライジングかなぁ。
・Electrogy/Triptych
同盟のアルバムのタイトル曲。
これも、スピリチュアル色が薄くなり、テクノ色を増してきている
昨今のゴアトランスの雰囲気を代表する、良い曲です。
ゴアトランスなのにノリノリでいっちゃえます。カコイイ!
逆に、セカンドサマーオブラブの残滓であったかもしれない、
人間がテクノで覚醒する、といった考え方が、
もう受け継がれなくなっているともいえるのかもしれません。
・La Strada/Nastie Down
コンピ「Lemongrass Garden Vol.1」より。
これも今年よく見かけた、チルアウト系より。
ダウナーで癒し系?
この手のコンピは日本人もなんか絡んでるのが多い気がします。
別に私自身は癒しを求めてはいませんがね。
ただし、今年のチルアウトも、聞いてて飽きないものが比較的多く、
良作が揃っていたと思います。
・Season/Fourcolor
アルバム「Letter of Sounds」より。
環境系とチルアウトの微妙な境界線。竹村延和っぽくもある。
この微妙な立ち位置が、やはり眠気を催させないポイントか。
・天啓とオラトリオ/Nakis
http://www.wadai.jp/bog/index2.html
Barbarian On The Grooveのアルバム「Dragon Valley Twilights」より。
インディーズなのにうまくまとまりすぎていて、良い曲なのに面白くない例。
このアルバム、すごく良い出来なんですよ。
基本的にボーカルアルバムなんですが、ちゃんとトータルイメージが統一されてて、
アルバムコンセプトがちゃんと見える。
「歌詞がちゃんと聞き取れる」とか、くだらない次元の話が恐れ多くてできないレベル。
でも、それ同人市場でやることか?
関係あるかわかりませんが、曲のミックス具合が、
記憶にあるスターチャイルドレーベルのミックス具合に異様に似ています。
まだ忘れている事いっぱいある気がするけどとりあえず。