負けまくり組


http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/55/


まあ書いている人の趣味趣向がアレなのでナニだが、
書かれている内容は多くの点で示唆に富んでいる。


・セフティネット施策は、基本的に多少の流動性を勝ち組と負け組の間に持たせることで、
 負け組の賛同を得るための見せ球である。
 セフティネットは負け組の数を減少させる施策ではない。
 負け組には、「自分は負け組と思いたくない」という心理が働くため、
 「まだ負けてない」という自己暗示をこのセフティネットは幇助する。
 これにより、本来の勝ち組が、「勝ち組」「負け組」のフレームワークを維持する。
 これは、勝ち組が勝ち組でい続けられるための施策である。


ニートは、結局現在の日本の雇用環境のなかで、
 彼らが欲している高度な労働力となり得ない人たちであるといえる。
 一般に知的労働は、その必要スキルが異様に高いか、
 必要な人口が異様に少ないかのすくなくとも一方であることが多い。
 したがって、それらにあぶれた人は、そこらの大学を出ている程度では
 カッコよく仕事して十分な給料をもらえるような職場につけるわけでもなく、
 単純労働に毛が生えた程度の職場しか余っていない。
 これでは、仕事に就かずに親元で暮らしていたほうがマシだ。


 この状態は、今なら、ニートが単純労働や低賃金で我慢することができれば
 一応は解決できる問題ではある。


 しかし、外国労働力の受け入れは、その「逃げ道」を完全にふさいでしまう。
 一定レベル以上の知的労働ができない(と求人側から判断されない)人たちは
 本当に行き場がなくなる。
 コンビニやカラオケの店員は安価な外国人労働者ですでに埋まってしまう社会。


 さらに問題なのは、企業の経済側面からいえばこの現象は問題にならないこと。
 単純労働者が賃金の低い外国人労働者になることで、
 コストを削減できることになる。
 国内に工場を抱える大手製造業や、多数の店舗を抱えるコンビニチェーンなどは
 大プッシュだろう。


 長期的な問題も明白だ。
 結局本気の日本人失業者が増加する。
 雇用保険の支払いが増加する。
 保険の掛け金が増加するか、支給条件を締め付ける。
 無職の子供を持つ親の出費がいよいよ増大する。
 彼らのたくわえが搾り出され、市場に貨幣が流動するようになる。
 出た貨幣は消費に回されるため、見た目経済が活況になったようになる。
 しかし蓄えが尽きると消費が落ち込み国内需要が低迷する。
 ニートが行き場をなくし社会不安が増大する。


 この結末がどうなるかはわからない。
 1)借金など首の回らない状態になってはじめて下層労働力として社会に組み込まれる
 2)外国人労働者との闘争がはじまる。しかし外国人も日本に生活が根付くと、
   帰るに帰れない状況になり泥沼化。
 3)臓器を売るなど本当に絞りつくされる。


 ちなみに、こういう状態になると、ニートは社会にとって
 「余計なもの」でしかないため、いなくなってくれるほうが
 経済的に望ましくなってしまうのだが、
 残念ながら一般に人間は失職や災害など、大事が起こって且つ娯楽などがないと、
 セックスに励んで子供が増えてしまうらしいので、
 いなくなるどころか増えてしまう。


 ただ、負け組の心理でいえば、
 問題の解決は負け組勝ち組のフレームワークを変えることではなく、
 自分が勝ち組になればいいというだけなので、
 この社会不安が社会変革の原動力になるかどうかはわからない。


 ここまで書いて思ったのだが、
 勝ち組とは金持ちで、負け組とは貧乏じゃないか。


 ただ、負け組程度の貧乏では、おそらく食うに困るところまでは至らないのが
 昔と違うところだろう。
 食い物は昔と比べて圧倒的に安くなった。
 衣料もだ。
 住居は高いままであるともいえるが、
 それもどこまで我慢できるかの話であって、
 狭くて木造でボロくて風呂なくてもいいのなら、
 それ以上に、立地が不便でもいいのなら、
 安い物件は見つかるはずだ。


 まとめようとおもったらまとまらないので打ち止め。