規模の経済とネットワーク外部性と投資と顧客満足度 考察1


妙に仕事が忙しくて考えをまとめるヒマがないのだが、
そうしていると忘れてしまうのでメモ。


物体を生産してそれを売る産業を、プロダクツ産業と呼ぶこととする。
情報を生産(?)してそれを売る(?)産業を、コンテンツ産業と呼ぶこととする。


さて、
プロダクツ産業の場合、
もし単一の仕様の製品を大多数のひとが求める場合、
規模の経済による競争の優位性を目指すことが出来る。
これは非常にシンプルなものや差別化の難しいものに適用しやすい。
(例:コピー用紙)


しかし、消費者が、製品の仔細に価値を見出すようになると、
いわゆる差別化が重要となる。
差別化は、消費者の趣向の多様化を招く。
すると1つの仕様の商品を売っていても売上はすぐ上限に達する。
従って、売上規模を拡大するには多品種展開を求められる。
一般に、社会が成熟する過程でこういった事例は起こる。


多品種展開は当然ながら1種あたりの生産数を少量にとどめることになる。
こういった状態では、規模の経済は効力を発揮しない。
生産設備を拡大しても、原則的に品種の数だけ製造ラインや部材の種類が必要なので
購買と製造において規模は効率化をもたらさない。
唯一、物流だけがこの恩恵にあずかれる。


それでも多品種展開の初期では、この問題は顕在化しない。
なぜなら、多品種展開は差別化のたまものであり、
それは局所的な独占状態を生み出すものであり、
局所的な独占状態では十分な売上と利益を得ることができるからだ。


しかし、多品種状態が成熟してくると、
マーケティングの発達によって、
局所市場においても競争が日常的に発生する。
従って、初期には得られていた十分な売上と利益が得られなくなる。


こうなると、効率的ではない生産を行い、それでも利益が出ないという
非常にイタい状態に陥る。


かなり泥沼ですね。