親元に住む

アサヒコムの記事:


http://www.asahi.com/life/update/0722/003.html


スタンダード反社会学講座より:


http://mazzan.at.infoseek.co.jp/lesson4.html


並べてみると楽しいですね。


ところで、
これらをよくよく考えてみると気になることがありまして。


親の家に住む状態を、「生活に困窮している」というところに
すぐ結びつけるのはどうかと思うのですけどね。


これらに触れられていないことで注目する必要があることがあると思います。

  1. 一人暮らしの優先順位が下がった
  2. 可処分時間の捻出が重要になった

どういうことかというと、一人暮らしのメリットがあまりないのではないかと。


ここに大きく関与するのは、やはりというかなんというか、
ケータイだと思うわけです。


ケータイさえあれば、自分の部屋がなくても
パーソナルなコミュニケーションが行える。


そのかわり、ケータイを利用するための、料金と時間を捻出しなければならないわけです。


自分の部屋でリアルで対面して雑談すると、
親が首を突っ込んできて非常にウザいわけですが、
ケータイやメールのやりとりをやっているうちは、
その画面に首を突っ込んでくる親はまずいない。


だから、「こんな居心地の悪い家なんかいつか出て行ってやるんだ」とは
あまり思えないわけですね。


加えて、一人暮らしは金銭だけでなく時間にも制約を課します。
飯つくる、掃除する、洗濯する、戸締りする、買い物する。
親元ならこれらは全部やらなくていいわけです。
そのための時間は、全部自分の時間に回せる。
それで、ケータイもメールももっとやり取りできる。


ものすごく乱暴に言えば、
不動産業界や賃貸業界と、ケータイ業界で、
可処分所得と時間の取り合いをやっているだけなんですね、構図として。


だから、現状がいいとか悪いとかの問題じゃないでしょう。
競争原理から言えば、
「親元でケータイやってるよりも魅力的な一人暮らしを賃貸業界が提案すべき」
ということですね、はい。


ウラワザも1つ提示しておきましょう。
「親は子供ともっと触れ合うべきだ」というキャンペーンを張るのです。
「わが子のともだちともともだちになりましょう」
「わが子の行くところに一緒に遊びに行って見ましょう」
「わが子の見ているもの、聞いているものを見聞きしましょう。わからなければわが子に聞きましょう」
うんざりした子供は苦虫を噛み潰したような顔で賃貸物件を探しはじめると予想されます。


あ、「パラサイトシングル」という呼び名は不動産寄りですよね。「寄生」ですから。
しかし逆にケータイ業界は「家族割」とかやってますね、抜け目ない。