涼宮ハルヒの品薄
いろいろあって、
涼宮ハルヒのシリーズを読もうと思ったときに限って品薄だ。
大半の書店では、品切れの形跡すらない。
そんなに売れてるのか。
まあ、これは最近の本の売れ方のパターンに乗ったのかもしれない。
最近は、「売れているといわれている本がさらに売れる」仕組みだ。
これは、昔からのことで言えば、流行に流されているだけともいえるが、
現在は、これを支えるIT技術がある。
つまり、AmazonアフェリエイトとGoogle Adsenseだ。
ご存知の方も多いだろうがおさらい。
Amazonアフェリエイトは、本を自分のwebページで紹介して、誰かがそこをクリックすると読者がAmazonに誘導されて、自分に小額の謝礼がAmazonから落ちてくる仕組みだ。
元来的には、自分が好きな本や紹介したい本を紹介するためのツールだが、
これを謝礼をもらうことを第一義的目的として行動した場合、
世間ですでに評価の高い、売れそうな本を紹介するのが近道だ。
Google Adsenseはここからさらに1歩進化し、
Webに書いてある内容を自動解析し、関連のありそうな商品を自動で選出してアフェリエイトしてしまうものだ。
このため、同じく収入を期待するならば、みなが注目している内容について文章を書けば、多く売れるものがAdsenseにより選ばれることになる。
これらは、ケインズの美人投票と同じ結果をもたらす。
つまり、「多くの人が美人だと考えそうな人に多くの票が集まる」のである。
「皆が買いそうな本が多く紹介される」のである。
紹介された本や、実際に売れる機会が増え、さらに以下ループする。
あれれれ?
Web2.0文化だと思われているAmazonアフェリエイトやGoogle Adsenseが、
ロングテールではなくて、メジャーな需要をドライブさせる方向にも
力を働かせているぞ?
じゃあそもそも、「皆が買いそうな」ものは、どうやって見出せるのか?
「話題になる」ことが重要ですね。
では、どうやって話題をつくるのか?
これはいろいろ方法があるが、
マスコミも話題を提供することはできるだろう。
となると、情報と興味の図式はこうなってしまう。
マスコミがトリガを発信する。
→ブロガーの多くが、「これは多くの人が欲しいと思うだろう」と感じる
→ブロガーが自分のページで紹介する
→マスコミが紹介した商品を欲しいと思う人のうちの何%かはアフェリエイトやAdsenseを経由して購入することもある。
結果、ブロガーは、自分の興味よりも人の興味を基準に商品を紹介し記事を書く。
Google AdsenseやAmazonアフェリエイトは、確かに今はロングテール市場の成長に大きく寄与しているわけなんだが、
実のところ、長期的にはマスマーケティングをもドライブしてしまうのではないか。
で、長期的にはどうなるかというと、個々人の限られた予算と時間をヘッドとロングテールで取り合いする形になるわけだ。
ただ、どちらも興味と購買のスキームは同じだから、どうころんでも勝者はインフラ提供側ということになってしまう。
お前らせいぜい騒いでろ、と。
まあ、短期的には、
そんなことより早く涼宮ハルヒ増刷しろ、と。
現在6冊ゲット済み。
次は今月下旬入荷予定とある。
東京出張までに残りも入手したいもんだ。