趣向の差


トラックバックのテストがてら。
Game Watchの原文も是非参照してほしいと思います。


E3で感じたことだけど、
日本(というかアジア圏)に好まれるテイストと、
欧米(ウェスタン)に好まれるテイストは、
あきらかに違う、というのは根本としてあるんだと思います。


そのうえで、Game Watchの記者は、おそらくMSに、
Xbox360は日本の市場を重視しないことにしたんだ」という言葉を
明言してほしかったんだろうけど、
(つまり、MSの市場把握と戦略は間違っていたんだ、もしくはウソだったと)
MSはガードが硬いなぁ、と。


ビジネス的に考えた場合、MSが、欧米の市場をファーストプライオリティに
据えるのは、妥当なわけですね。
彼らの持ち駒は「洋ゲー」ですから。
というのも、PCゲームをコンソールに容易に持ってくる、というのが
Xboxの戦略であったからでして、それがようやく軌道に乗っている、と。
洋ゲーで狙える市場は欧米です。
プラットフォームがPCかコンソールかの問題じゃない。


欧米で覇権を握る→ゲームデベロッパへの影響力が増す
欧米で覇権を握る→コンソール需要が増す→単価を下げられる→市場シェア増大が加速する
で、圧倒的価格差をもって日本に入ってくれば、多少の趣向の差など問題ではない。
こんな感じですかね。


実際のところ、日本の大手ゲームメーカも、欧米向けには独自タイトルを
開発して欧米専用でリリースする方向で動いていますね。
ナムコバンダイのHellgateが典型だとおもいます。


このMSのシナリオに乗る場合のSONYの対抗策は簡単で、
日本の市場を死守→日本のデベロッパからのコンテンツを確保→これをもって中国市場に攻勢
やるのはめちゃくちゃ大変ですが、幸い中国はアジア圏なので、
欧米テイストよりは日本テイストのほうが有利かと思います。
もちろん中国の収入水準にあわせてコンソールのディスカウントなどは必須ですね。


じゃあ、日本向けタイトルってどんなん?って考えたときに、
ふと、
「最近のゲームって、抽象化、簡略化から疎遠になっているなぁ」
と思ってみたり。
それがキーなのかどうなのかさっぱりわからないんだけど。


現状の市場を分析して、そこに対応しようとすると、
「日本の市場にあわせたゲーム」「欧米の市場にあわせたゲーム」
を作ろうとするのは、マーケティング的には当然の動きになります。
両方の市場に同時にリーチするコンテンツを作るのはとても難しいから。


ああ、情報密度が拡大していくと、趣向の局所性が高まるのかなぁ。
多分、万国共通なものは、とてもシンプルなんじゃないかなぁ。


任天堂は、そういったストーリーや映像表現よりももっと下のレイヤーで、
ゲームというものをいったんご破算にしようとしていることは
任天堂自身が主張していたし、今は多くの人が同意できることではないかと思います。


しゃべる言語とか、見てきた物事とか、そういうものの上に乗っかるのではなくて、
もっと根源的な、人間であるとか、生物であるとか、そういうものに対して
何かを訴えられるのではないか。