楽器の特性

http://www.square-enix.co.jp/music/sem/page/ff11chips/


FFXIとレトロが結びつくとどうなるか。


結論。このCDでは結びついていません。
チップチューンって全部こんなんなん?


聞いていて非常に疲れる内容になっています。
なぜか?


おそらく、作り手は、ソフトウェア音源のひとつとして
PSGを使ってるんでしょう。


ホワイトノイズのリズムがしつこく、
押し出しの強い音楽がずっと続く。


昔のPSGの曲って、そんなだっけ?
違うはず。


そもそも、ゲームで使う音楽なら、
効果音に1音分確保するとか、ノイズもそっちに確保するとかしないと
音源リソース的に困るはずだし。


音源的に、一番アタックの強い表現が、
複数トラック同時に発音することそのものなので、
そんなのを曲中で定常的に使われては疲れるだけだし。


だから、
トラック節約と、音の押し出しを弱めるという2つの点で、
アルペジオが多用されていたはずなのよね。
あと、ベースとアルペジオを組み合わせて1トラックで演奏するとか。


だいたい、メロディ、バッキング、リズム、という発想で
曲を作ってるなら、2トラックとかで体裁なんて取れるはずはなく、
いちどそういうくびきを外してアレンジを考えないと、
緩急に乏しい、聞いて疲れるものにしかならない。
なんかもう、調味料だけで料理作りましたみたいな。


レトロな音源使って、同時発音数を制限すれば、
それで昔風の曲になる、という発想だとしたら、
本当に発想が貧しい。
豊かな環境の生み出す、貧しい発想。


その制限を前提にしたときに、なにができるか、ということ。
なにができて、なにができないのか。
そして、原題からなにを抽出してどう形作るのか。


まあ、もののあふれる時代で生まれ育ったら、そんなこと言われてもわからないだろうし、
そういう時代を背負ったからできることが他にあるんだろうとは思うけどね。