歪んだ解釈
http://it.nikkei.co.jp/mobile/column/columngyoukai.aspx?n=MMIT0f000021122006
インセンティブが無くなれば、端末の価格は高くなる、という話は
非常によく聞く。
多分違う。
だって、もし正しいのなら、日本以外の国の端末は
死ぬほど高くて庶民の手の届くものじゃないはずだ。
実際には、
インセンティブが無くなれば、低機能だが低価格な商品が市場にたくさん出る、
というのがおそらく正しい。
だって、台湾だって、SMS対応、カラー液晶の
プリペイド対応携帯は日本円にして1万円くらいから買える。
(しかもソニエリやパナのやつが。)
実際、わたしが持っているのもソニエリのこのタイプだ。
もちろんゲームをダウンロードしたりはできないし、
e-mailの対応は多分もうちょっと上のモデルが必要なのだろう。
大体カメラもついてないし。
でもカメラ内蔵でも2万円はしない。
今ならもっと安いかも。
インセンティブがもたらしているのは何かというと、
端末の機能と価格がリニアに連動している端末市場を喪失させ、
すべてのユーザーに同じレベルのサービスを提供するための
プラットフォームを蔓延させる、ということだ。
実際、電話機としてみるなら、
海外の携帯電話のほうが携帯性、操作性などは優れている。
昔のPHS並みの小ささにカラー液晶やグラフィカルなメニューが入っている。
日本人は小さいガジェットが好き、というのは
携帯電話を見る限りはウソにしか見えない。
話がそれた。
インセンティブ制度がもたらしているのは、ユーザーへの利便性ではない。
良くも悪くも端末選択の幅を狭めることだ。
良いという点は、サービスの可能性が大きくなること。
(インストールベースが増えるほど、ソフトやサービスを誘致しやすい)
悪い点は誰もが「全部入り」の携帯を買うしかなくなり、間接的に使わないサービスの
誘致のためのコストを支払っていること。
(低機能と高機能のモデルの価格差が無くなればたいていのひとは高機能を買うでしょ?)