コストコ尼崎店
いわゆるアメリカの小売チェーン。
ウォルマートに次ぐアメリカ2位の規模で、
その経営方針や手法等からよくビジネス書で引き合いに出される。
(ウォルマートは商品を格安で販売する代わりに、従業員の賃金も安い。
しかし、地域経済をウォルマートが牛耳ってしまえば、その安い賃金でも
十分に物質的に豊かな生活が出来る、というもの。
一方、コストコは、従業員に十分な給与を与える代わりに、商品の価格も安くない。
当然ながらウォルマートほど顧客シェアを取ることが出来ないが、
従業員の福利厚生のためには必要なこととしている。
従業員にとって一番得なのは、コストコで働いてウォルマートで生活物資を買うことだが、
そうなるとコストコは倒産し、ウォルマートしか残らなくなる。
いっぽう、ウォルマートで働く人はコストコは高すぎて使えず、
ウォルマートで生活物資を買うしかない。
結果、コストコは駆逐されてしまう、というもの)
さて、尼崎にその店があるというので、行ってみた。
基本的に、倉庫をそのまま陳列に使うことにより、
・輸送コスト削減
・陳列の人件費削減
さらに、販売単位を大きくすることで、単価を上げ、
輸送とハンドリングコストを下げる。
したがって、販売単位がともかくデカい。
プレッツェル2.7kg入りとか、缶詰24個入りとか、肉2kgとか、
ティラミス2kgとかモンブランの直径が24chとか。
しかし、それでも、全然安くない。
正直、食料品は大半が業務スーパーのほうが安い。
例: 鶏モモ88円/100g、豚バラ98円/100g、スパゲティ880円/1kg
さらに、この店は完全会員制となっており、
しかも入会に4,200円もかかる。
いつでも退会でき、入会金は全額返却されるが、
いちど退会すると1年間、再入会できなくなる。めんどくせぇ。
日本におけるこの店の存在意義は、
便利さや安さではなく、
アメリカ式小売店という、非日常の世界を体験し楽しむことだ。
したがって、これは、日本人にとっては、「金持ちの道楽」だ。
だから、アメリカだと、でっぷり太った黒人のおばちゃんがカートを押しているような、
妙に雑で大味で殺風景で気の行き届いていないような場所に
小金持ってそうな日本の夫婦子供がカート押して歩き回っている、という
おかしな絵が出来上がる。
残念。