メガマックの問題。
メガマックがヒットしている。
数量限定状態だそうだ。
なぜメガマックがヒットしたか、については、
よくわからないのが正直なところだ。
強いて言えば、
・そのポジションにハマるものがほかに無かった
・競合となる他店に客の関心を奪っているものがなかった
ということかと。
他店にしてみれば、「スキをつかれた」格好だろう。
メガマックに関しては2つの興味深い現象があるので、それについて。
1)メガマックは高カロリー?
メガマックのカロリーは、ほかと比べりゃたいしたことはない、という話。
たしかにメガマックは700Kcalを越える。
やばいと騒ぐ人もいる。
しかし、これは高カロリーなのか?
カロリー計算をしたことがある人はわかるが、
これ、他の食事に比べてたいしたことはないのだ。
http://www.matsuyafoods.co.jp/menu/lineup.html#don
「並」を頼んでも、メガマックと変わらない。
たとえばコンビニ弁当も、まっとうな量のものなら、800〜1,000Kcal程度はある。
いまどきまっとうなメシを喰えば簡単に700Kcal程度には達してしまうのだ。
マクドのハンバーガーの中身のハンバーグは、大半が赤身のため、
ジューシーさに欠けるが、脂肪分が少ないという点ではむしろ好ましい。
エネルギー源の燃焼のされやすさは、
糖質(炭水化物)→たんぱく質→脂肪
の順。左側ほど燃焼されやすい。
したがって、脂でカロリー稼がれるよりはマシなのだ。
マクドのカロリーの罠は、むしろ付け合せにある。
あのポテトがやっかいだ。
パサつきのあるハンバーガーには、脂肪分たっぷりのフライドポテトが良く合う。
良く合うが、おかげで肥満のもとになる。
本来はあのアイランドドレッシングにもツッコミたいところだが、
詳細を調べていないので置くとして。
メガマックはセットで注文せず、ホットコーヒーSなどと一緒に食するのが望ましい。
セットならせめてポテトからサラダに変更しよう。
2)数量限定の謎
数量限定なのは、材料が足りないわけじゃなくて、別に思惑があるだろう、という話。
メガマックに、特殊な材料はない。
簡単に言えば、ビッグマック+ハンバーグ2枚だ。
本当にメガマックが材料不足で作れない状態になるならば、
ビッグマックも作れないはずだ。
ところが、数量限定になっているのはメガマックだけ。
これは、なぜか。
メガマックを作るうえで問題になることの1つは、
1度に4枚ものハンバーグを用いることだろう。
一見、どうでもいいことのように見えるが、
ハンバーグを焼くグリドルの面積を2倍喰うことは、無視できない。
つまり、1回に作れるメガマックの個数の最大値は、
ビッグマックの半分になってしまう。
つまり生産性が落ちてしまうのだ。
ただし、これはスループットの問題であって、
数量を限定すれば解決できる問題では、まったくない。
たとえばモスの匠味のように、ラッシュタイムをずらせての提供開始にすれば
この問題を軽減できるのだが、
マクドは朝の11時からこのメニューを提供する。
これでは、ランチタイムにもろ被りで、スループットは悪化したままだ。
むしろ、ランチタイム終了頃に限定数量が捌けてしまうと、
その後のアイドルタイムは生産能力を生かせていないわけで、
非効率このうえない。
1つだけ、メガマック専用のものがある。
それは、入れ物。紙製の容器だ。
しかし、それの増産が週単位で出来ないのは不思議だが。
アメリカから輸入でもしているんだろうか。
わたしの考えの及ぶ範囲で、残る可能性として考えられるのが、
マーケティング戦略だ。
「メガマックが売れている」という演出の一環だ。
販売価格が固定である以上、
客の数だけ販売することが売上の最大化につながるはずだ。
つまり、数量限定は、相対的に損をしているように見える。
しかし、「売れている」感を演出する意味が、別のところにある。
それは、株価。
「マクドナルドは好調だ」のイメージは、株価の上昇につながる。
他の外食産業がぱっとしない中、マクドナルドの好調は、
他社からマクドへの資金の移動につながる。
それによりマクドの株主は、販売を増加しなくても、
マクド株をを釣り上げて、利益を得ることが可能になる。
わたしの予想。
マクドナルドの株主は、容器の問題の可能性を別にすれば、
客の要求を蹴って、株価を吊り上げている。