設備投資の問題。

まずはこれ。


http://www.asks.jp/users/hiro/9863.html


株式会社というものがどういう宿命を背負っているかを
かなりわかりやすく書いてある。
難しいことをわかりやすくかくことはとても難しいことだから、
すばらしいなあと思います。


この構造に多少補完したほうがよいと思うことがありまして。
会社が株式で大量の資金を調達しようとするのは、
単純に「会社」がお金をせしめたい、
言い換えれば、増えたお金をフトコロに入れてしまいたい、と
いうだけではないようです。


とくに製造業の場合、
ある商品を作るために、初期段階で莫大な費用がかかります。
研究所の設立、工場の建設、生産機械の開発、製造、購入。
たとえばICのようなハイテクかつナノテクものになってくると、
振動が製品の不良率に影響するため、
工場の敷地全体をフローティング構造にして、
周りの振動(周囲を走る自動車や飛行機、地震や雷)が
ラインに伝わらないようにします。


IC1つ作るのに、いかに大規模な初期投資が必要か。


従って、こういった分野では、
「お客様にこういったものを提供して喜んでもらいたい」と
「資金が欲しい」という2つの欲求は、
直接的につながるものになります。


だから、
事業を拡大して、
土地も工場もいっぱい持って、
生産設備もいっぱい開発する、というのは
顧客視点において必然になる場合が多いと予想されます。


ところが、
コンテンツ産業ソフトウェア産業はどうか。


言ってしまえば、
イデア次第、脳みそ次第で、
資金ゼロでもどうにかなります。
とくに近年は、インターネットの普及が
「製造」と「流通」を不要にしました。


うちの上司は、
先端技術の部品の規格に絡んだ技術屋の出なので、
ゲームショウをはじめて目の当たりにして、
「やっぱりすごいゲームはそれだけ投資をしてるんやろなぁ」
というわけなんですが、
ゲームの世界を知っているひとは、
「面白いゲームは必ずしも手間と金をかけて作られたわけではない」
ことはすぐわかると思います。


ゲームショウジェネオンが出展していなかったのは残念です。
ひぐらし」を見せることができませんでしたから。
(もちろん7th Expansionの出展はありえないでしょう。)


このように、
コンテンツの常識を考えると、
「作りたいものを作るのに、初期設備投資のための膨大な資金が必要」という
前提はありません。
これは人的リソースについてもいえます。
確かにシナリオ作者本人は文才と構成力に富んでいますが、
ソフトウェアに落とし込むには担当者がスクリプトツールを用いて製作していますし、
音楽など専門外と思われる部分については積極的に外部から提供を受けています。


だから、
mixiの上場に「なにがしたいの?」という疑念が生まれるのかと思います。

もうちょっと書きたいけどこのへんで。